発話の流暢さに影響を与える言語学的要素に関する実証的研究
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概要
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本研究は,2種類のスピーキング能力の構造解明を目的とする。日本人大学生63名を被験者として実施した,2種類のオーラル・パフォーマンス・テスト(OPT)とライティング・パフォーマンス・テストによってデータを収集した。産出されたデータから学習者コーパスを構築し,語彙,統語の言語学的観点から計量的に分析し,テクスト間及び被験者間の比較を行った。さらに,0PT結果の評定値を従属変数とし,語彙の複雑性を測定する2種類の語彙出現率と統語的複雑性を測定する2種類の節出現率を独立変数として,探索的重回帰分析と共分散構造分析によって解析した。また機能文法に基づき,情報構造に関する質的分析を行った。考察の結果,言語学的説明構造が異なる2種類のスピーキング能力が存在していることが判明した。接続詞の習得過程に関する推察も踏まえ,2種類のスピーキング能力養成に適した教授法の必要性への示唆を得た。
- 日本教科教育学会の論文
- 2006-03-10