生活科における「気付き」の概念についての基礎的研究 : 学習指導要領と指導要録の分析を通して
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概要
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「気付き」は生活科のキーワードであるが,その使われ方や概念は一様ではない。本小論では,学習指導要領と指導要録の分析を通して,生活科における「気付き」に関する諸問題を考察し,「気付き」の検討に必要な視点,枠組みを得た。それをもとに,「気付き」の概念を規定するとともに,「気付き」の特質について考察した。ここでは,「気付く」を,「子どもが具体的な活動や体験,思考や話し合いなどの学習活動によって対象に出会い,自らの内面に,何らかの事実,関係,疑問,感情,感覚などを生起させ,子ども自身がそれを意識し自覚すること」と規定し,そのようにして意識され自覚された事実,関係,疑問,感情,感覚などを「気付き」とした。ここで示した生活科における「気付き」の概念や特質は,暫定的なものであり,今後,生活科授業における子どもたちの具体的な「気付き」を通して吟味,検討を進めていく必要がある。
- 日本教科教育学会の論文
- 2004-03-30