日中小学校国語教科書の比較研究 : 物語文教材における主人公像を中心に
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概要
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本研究では,日本と中国の小学校国語教科書における物語文教材を対象として,教材中に登場する主人公像について比較考察をする。両国の国語科教育において,物語文教材の中の登場人物を通じて,どのような人物像が求められているか,また,それをどのように扱おうとしているかを明らかにするとともに,両国それぞれが理想とする子ども像,及びその背景,さらには,両国の教育,特に,物語文教材の扱い方に関する相違について比較考察することを目的とする。具体的に,両国の教科書における主要な主人公像とそれらの各学年における特徴を明らかにし,それぞれの国の社会事情,教育観などと関連して分析・考察する。両国の物語文教材では,ファンタジーとリアリズム作品の採録,主人公の年齢,及び人物像の傾向に大きな相違が見られる。同化体験を求め,子どもの自発性を重視する日本と,モデル人物に学び,客観的,正確な読み取り能力を重んじる中国では主人公の設定及びその扱い方に大きな相違が認められるのである。
- 日本教科教育学会の論文
- 2000-06-30
著者
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