ドリル型CAIを用いた初級日本語学習の満足度規定要因に関する基礎研究
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概要
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コンピュータの普及を受けて,日本語教育の現場でもCAI教材の開発や,それらを利用した教育についての研究が行われている。本稿ではカリキュラムに組み込んだCAI授業を取り上げ,それに対する学習者の満足感を規定する要因を明らかにするための調査を試みた。アンケート調査の結果,CAI授業に対する満足度に大きく関係しているのは,「授業(教師)要因」および「教材の使いやすさ,わかりやすさ要因」であることが明らかになり,CAI授業を通して学習者が何らかの満足を感じるかどうかは,その授業における教師の果たす役割によって異なることがわかった。さらに,CAI教材の美しさや目新しさよりも教材の使いやすさ,わかりやすさ要因が学習者の満足度に大きく関わっていることから,今後の教材開発にあたっては,教材の表面的な美しさや楽しさでなく,学習者が使い易いかどうかということにこれまで以上に視点をおいて開発していく必要があることが実感された。
- 日本教科教育学会の論文
- 1999-03-31