音楽科「授業研究」における現象学的認識論の意義
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概要
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本論では,音楽教育研究における「授業研究」について,認識論の視点から検討した。具体的には,「現象学」の立場を手掛かりに,それにおいて提起された認識論上の問題の検討を通して,音楽教育研究における「授業研究」に現象学的認識論が持つ意味を明らかにした。本論における私の主張は,次の二点である。第一に,研究者は,自己の自明視している研究枠組みや授業観を自覚的に相対化し,反省的に思考していく必要がある。そのためには,「授業研究」における現象学的思考が有効であるということである。そして第二に,これまで最小のインプットで最大のアウトプットを創出する効率主義的な技術論として展開されてきた「授業研究」からの離脱を音楽教育研究において主張したい。
- 日本教科教育学会の論文
- 1995-12-25