美術科教育における視覚教育の意義について
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概要
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本稿は美術科教育の教科特性のひとつとして,視党教育の必要性を述べるものである。今日の私達の日常生活ではメディアの拡大による映像などの視党的情報が過剰になってきている。こうした状況において,美術科教育は表現や鑑賞の活動に伴いながら,ヴィジュアル・コミュニケーションのための視覚教育の必要に迫られている。その教育方法のひとつとして,造形要素と視覚言語の構造的把握による造形的習得が考えられる。視覚言語はその構造において,言語の構造と比較して考えることが可能であり,本稿では構造の把握のために記号学を援用し,ランク,パロール,ランガージュの位置づけを再確認した。さらに,その構造を基に,美術科における視覚言語の意義と内容を明らかにし,視党言語能力の教育の可能性について述べた。
- 日本教科教育学会の論文
- 1990-01-10