中等音楽教育の原理と方法に関する研究(I) : 中学生及び高校生の音楽的興味について
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概要
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より有効な音楽の教授・学習計画を組織するためには,学習者が様々な様式や類型の音楽に対してどのような情意的反応をしているかを知ることが必要である。そこで本研究は,15の形容詞対からなる,S-D法を使用することによって,様々なひびきに対する非明示的な情意的反応を客観的に判断することを試みた。これら15の形容詞対は,各々,(1)感情の因子,(2)速さと強弱の因子,(3)質量の因子,(4)感触の因子,(5)性状の因子のいずれかに属している。調査の分析の結果,音楽に対する男女の情意的反応の違いは感情の因子によって,中学生・高校生別の場合は速さと強弱の因子,及び質量の因子によって特徴づけられるという結果を得た。これは,高校生の教授・学習計画においては,音楽に対する認知的領域の強化によって情意的反応を洗練することに注意を払うべきであることを示唆していると考えられる。
- 日本教科教育学会の論文
- 1985-10-01