理科における教授学習過程と子どもの論理展開
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概要
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本研究の目的は,理科の教授学習過程における個々の場面および全体を通しての学習者の論理展開を明らかにすることにある。その際,論理展開の重要になると思われる仮説・検証場面に注自した。調査は,一人ひとりの学習者の論理展開を把握しやすいように放送教材を用いた。まず,理科番組を1年間継続視聴してきている小学校5年生の男子10名を対象に,未視聴の理科番組を個別に視聴させた。その後,仮説・検証の場面を抽出して再編集した番組を学習者に提示し,各場面に対する学習者の論理展開を調べた。その結果,次の点が明らかになった。1)学習者は,前の場面とつながりの深い場面において論理展開が容易になる。2)学習者は,理解できた場面から番組全体についてとらえていこうとする論理的思考をもつ。3)したがって,理解できない場面が存在しても,それまでに理解できた場面から次の場面を理解することができると考えられる。
- 1984-07-25