社会科授業理論の認識論的基礎づけ(III) : 「科学的認識と実践主体を育てる社会科」の場合
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概要
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マルクス主義社会科学に依拠した社会科授業は,科学的認識と実践主体の同時的育成をめざす社会科として,今日のわが国でも大きな研究者・実践者集団を形成してきた。ここでは,そうした授業における同時的育成の原理,およびその際の学習内容,展開,学習過程の編成を,マルクス主義認識論から基礎づけることを試みた。その結果,この種の社会科授業は,マルクス主義認識論自体の内包する,認識の普遍化と主体の変革という二契機の統一に教育論的意義を求め,この意義の実現のために,常に二つのカテゴリーから,両者が統一されるようにその学習内容,展開,学習過程が編成されていることが解明された。しかし他方で,この社会科授業の多くは,マルクス主義認識論の基本前提に即応しておらず,そのためにかえって同時的育成の原理を阻害する問題点を生み出してきた。
- 日本教科教育学会の論文
- 1983-03-31
著者
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