自然認識の発達段階についての一考察
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概要
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人間は歴史的に,天界と地界を峻別するアリストテレスの自然観から,天界におけるケプラーの法則,地上におけるガリレイの落体の法則を経て天界の法則と地上の法則を統合したニュートンの自然観に達したが,科学の時代といわれる現代の子供は,どのような過程を経て統一的な自然観を樹立していくものであろうか。それを知る手掛かりとして,先ず現代人の自然認識にはどんな段階があるかを調べようとし,四年度にわたって毎年第2年次の大学生約200人を対象に万有引力に関するアンケートを出して,その答えを分析した。その結果,認識の型は大体定まっていて10の型に分類され,これを更に整理すると次の六つの段階に分けられることが分かった。1.階層的認識(アリストテレス的認識)2.定性的認識3.定量的認識(ガリレイ的認識)4.静力学的認識5.動力学的認識6.統一的認識(ニュートン的認識)
- 日本教科教育学会の論文
- 1982-12-25