児童の認識過程と指導 : 理科・電気教材について
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概要
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指導の効果を高めるための鍵は,児童のその教材に対するイメージを知ることである。蛯谷(1981)は,教授活動の設計において学習者の可謬的な試行錯誤と探索を重視し,「思う」ことから,もともと不可謬性を本質にする「知る」ことへの過程を構造化している。ここでは教材に対する児童のもつ様々なイメージは,それを非難するのでもなく,砕くのでもない。それを基底にして指導の構造化を図り,指導の効果を高めるための出発点でもある。このような意味において,本稿では,直接見ることのできない電気エネルギーについて,児童のイメージを探り,のぞましい指導過程のあり方について考察しようと思う。なお,本研究は,授業の実践を通して行ったものである。この研究を通して学習の過程における児童の認知活動が,その認知の要件が適切に組立てられ,相互に補完しあうような条件が与えられるならば加速的な指導の効果が得られることを明らかにすることが出来た。
- 1982-05-20