音楽教室や個人教授における音楽教育とこれに携わる教師の養成に関わる教育的問題点
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概要
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音楽教育には,音楽大学や音楽短期大学など専門教育機関におけるものと小学校・中学校など普通教育機関におけるものとがあるが,いずれの場合もその建前上の究極的目的は,「音楽を愛好する心情を育成」することにある。そして,これらの機関の教育については,各々その目標・内容・方法などが学問のレベルで追求されてきた。しかるに,現在音楽勉強の経験者(子供)が,4割強と著しく増加した音楽教室や個人教授における特別教育については,あまり顧みられないように思う。子供達は,この特別教育で,人間成長上如何なる影響を受けているのであろうか。指導にあたる教師達は,人の教育,中でも対象が最も多い幼児の教育という重大な営みに対し,如何なる認識に立ち,また如何なる研修に努めているのであろうか。これらは,学問のレベルで研究する必要はないのであろうか。本小論では,これらの疑点を究明するため,中学生2万余名及び音楽教師88名対象に,特別教育に対する意識や教育実態を調査することにした。そして,音楽の特別教育の現在抱えている問題を探るとともに,これに携わる教師の養成に関する問題点を考えてみた。
- 日本教科教育学会の論文
- 1982-02-20