条件反射における信号化の原理と体育科教育 : ペ・カ・アノーヒン「実在の先行する反映」を中心に
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概要
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本稿では,現在の教授学理論や学習理論に一定の影響をおよぼしている条件反射の根本的な意味を解明することを目的とした。今日のソヴィエトにおける生理学,心理学,教育学においては,パヴロフの条件反射を基盤としつつも人間の行動をサイバネティクスの特性を有するものとして研究が進められている。その原流とも言える,ぺ・力・アノーヒンの論文を検討した。その結果,条件反射を,生物の環境への適応という観点から再検討するならば,条件反射には,ある目的達成のために,客観的実在を先どりして反映するという「信号化の原理」に最も根本的な意味があることが明らかにされた。この信号化の原理を手がかりとして,教授-学習過程の組織化および,体育科教育の目的論構成に関する一視点が仮説的に提出された。
- 1981-04-30