リズムの指道過程に関する一考察 I : リズムの概念を中心に
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概要
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リズムは歴史的・社会的要因に規定され発展する存在であり,音楽だけの問題でなく,広く文化の問題としてもとらえられる。したがって,その解釈も多様で一定の概念が存在していない。音楽科における研究課題の一つに具体的指導過程の組織化があるが,この課題解決へむけてのキー・ポイントの一つはこの概念をどのようにとらえるかということである。本稿では,今までリズムの概念が明確に教えられていなかったのではないかという問題意識のもとに,知的理解のレベルに焦点を当て,リズム学習のあり方について論究することを目的とする。方法としては,まず一般的に存在するリズム概念を「自然のリズム」と「創造のリズム」の二つに大きく別けて整理し,次に人間の発達の根拠である労働を,リズムが「自然のリズム」から「創造のリズム」へと発展していくうえでの本質的契機ととらえ,労働の身体的側面と集団的側面からその考察をおこなう。
- 日本教科教育学会の論文
- 1980-10-31