理科教育の目的・目標の分析的研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究は,理科教育の目的・目標を構成する共通の要素を分析し,またこれらの要素を組み立てることによって,理科教育の目的・目標の構造的な把握をするのが目的である。この目的にそった考察の結果,これらの要素は,自然科学が人間の精神に及ぼす内的因子と,自然科学が環境に及ぼす外的因子からなり,それらが有機的に結合していることが分った。またこの関係を構造表に表わすことによって,目的・目標の類別が容易にできることも分った。さらに,この表によって理科教育の目的・目標を歴史的に考察した結果,内的因子は知識から態度へ,外的因子は自然科学分野のみから,自然科学と技術と文化の融合領域へと変容していることか分った。これらの事実は,将来の理科教育の目的・目標の進むべき道が,これらの因子(内的因子,外的因子)のベクトル的加算の方向に取らなければならないことを示竣していると言える。
- 日本教科教育学会の論文
- 1979-07-30