音楽科の教育内容に関する一考察(I) : コダーイ・メソッドの分析を通して
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概要
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音楽科教育における今日の中心的課題は,教育内容をいかに編成していくかという問題である。この問題を考えるにあたって,諸外国のすぐれた音楽教育体系を分析することは,国情の違いを超えた普遍的な音楽教育の本質を提供してくれるものである。本論では,ハンガリーで行なわれている"コダーイ・メソッド"の分析を通して,教育内容編成の問題にアプローチしていく。ところで,教育内容とは,教育目標-教育内容-教育方法連鎖中の中央項にあたり,教材の選択と配列に関する事項,すなわち,教育目標を達成するために,どんな教材を選択し,その教材を学習者の発達に即してどう配列するかという事項である。したがって,教育内容編成の問題は,まず目標との関わりの中で論じられねばならない。本論本稿では,まず,コダーイ・メソッドにおける目標観を考察した後,その教育内容の構造化をはかる一方,その中から教育内容を規定する一契機である音楽各構成要素の配列順序を述べていく。
- 日本教科教育学会の論文
- 1979-04-30