介護保険制度下の住民参加型在宅福祉サービス : 地域の「支え合い」の現状と課題
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概要
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近年,介護保険財政の膨張とそれを受けた介護保険サービス運用の厳格化を背景に,地域の「支え合い」への期待が再び高まりつつある.本稿では,東京都下の2地域を対象に,そこで活動する各種の住民参加型在宅福祉サービス団体への実態調査を通じて,それらが現在抱える課題と今後の展望を考察する.調査の結果,これらの「支え合い」団体のサービス供給上の共通かつ最大の隘路は,第一義的には従事者不足にあるが,その背景には,統一的なケア理念の不在,およびそれを含めた重層的なコーディネーションの機能不全,利用者・従事者・団体の3者が共に抱える経済的選択性,といった複数の構造的制約があることが明らかになった.今後のより公正で幅広い「支え合い」のためには,その単純な組織化に終わることなく,活動動機と利用者ニーズを含めたより深いコーディネーション,ならびに需給双方に対してより経済中立的な価格体系を模索していくことが肝要である.
- 2009-02-28
著者
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