要保護世帯向けリバースモーゲージ制度の課題 : 保護の補足性原理と民法原理との調和策
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概要
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2007年4月から新たに要保護世帯向けのリバースモーゲージ制度が導入されることになった.この新制度は,老親に対する扶養義務を履行しない者が,親の死後に親の所有していた不動産を相続してしまうことの不合理を回避することを主たるねらいとして創設されたものである.しかし,このような新制度導入の趣旨は,他方で扶養義務や財産相続に関する民法上の基本原理との間で,大きな齟齬を生じさせていると考えられる.本稿ではこのような新制度に関する理論的な問題点を検討するとともに,生活に困窮する世帯に対する親族からの扶養義務の履行を求める方法としては,生活保護法のなかに従来から存在する仕組みを活用すべきであることを主張している.
- 2007-11-30