児童養護施設における子どもの権利擁護に関する一考察 : 『子どもの権利ノート』の全国的実態とテキスト分析を中心に
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本稿は,児童養護施設における子どもの権利擁護施策・実践の現状と課題の一端を明らかにするため,全国で展開する『子どもの権利ノート』に焦点をあて,その特徴と課題について論じたものである.第一に,『権利ノート』の全国的作成実態を整理し,いかなる特徴をもった冊子であるのか明らかにした.『権利ノート』は,38都府県11都市で作成され,権利の伝え方として5つの類型に分けられた.第二に,子どもが権利侵害にあった場合に,有効な情報を提供している内容かという点に注目してテキスト分析を行った.結果として,権利侵害の指標となる記述に偏りがあることや,子どもにとってアクセスしやすい救済機関の記載不備など有効な情報を提供していないことが明らかになった.これらの課題は,『権利ノート』が作成されただけでは子どもの権利擁護は果たされず,今後の取り組みこそが重要であることを示唆するものである.
- 2005-11-30
著者
関連論文
- 児童養護施設における子どもの権利擁護に関する一考察 : 『子どもの権利ノート』の全国的実態とテキスト分析を中心に
- 社会的養護のもとで暮らす子ども・若者の参加 : 児童養護施設における子どもの権利擁護の取り組みに注目して
- スウェーデンにおける保育サービス, マーガレータ・フォーシュベリ著, (エスキルスチュナ市保育学校教育課)