多発性硬化症の発症に随伴する急性悲嘆への初期介入を試みた一事例
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概要
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本研究は,傷病・障害発生直後の急性悲嘆への初期介入と介入効果としての傷病・障害の受容に焦点をおいた。なぜならば,傷病・障害の非受容患者にみられる共通の問題は,傷病・障害の発生直後に適切な初期介入をみないからである。近年の高度化・専門分化・短期化の急性期医療の場では,身体的治療が中心となるため,急性悲嘆にある患者・家族に対する初期介入は課題視されにくい。このような医療現場の援助環境の実際があるため,傷病・障害発生直後の急性悲嘆への初期介入モデルに関する先行研究は,皆無に等しい。本研究では,多発性硬化症の診断直後,急性悲嘆に陥った患者に対し,ソーシャルワーカーが初期介入を試み,病気の受容の促進といった介入効果をみたことから,本事例への初期介入プロセスおよび初期介入の構成要素を提示・報告する。なお,本初期介入は,介入指標,介入時期・期間,介入態度,複数の介入技法で構成されている。
- 2002-03-31