診査医の過失 : 生命保険契約の告知義務違反解除において,診査医の過失が問われた事例(パネルディスカッション)

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概要

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生命保険契約の締結に際し,診査医は,保険会社の機関又は代理人として告知受領権を有していることから,「診査医の知」又は「診査医の過失による不知」は,「保険会社の知」又は「保険会社の過失による不知」となり,「告知義務違反による解除」が制限される。通常「開業医が一般外来診察時に払う程度の注意」をもって保険診査が行われる限り,「診査医の過失」は存在しないといえる。もっとも,診査医という立場からして,普通開業医が診療を求めてきた患者を診断する場合と比べて全く同じ検査・診察方法を用いなければならないとまでは考えられない。具体的事案においては,診査医が被保険者からの告知の有無,内容・程度によって,危険選択上の重要な事実を発見することができる程度の検査を行ったか否かが問われることとなる。各位の実務のご参考として,この問題が争点となった裁判例4件をご紹介する。
2010-12-17

著者

加藤文人
弁護士法人三宅法律事務所

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