現代中国の政治体制を歴史上に位置づける
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概要
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中国政治体制に関する最近の出版物を比較することにより,本稿は現体制の歴史的性質とその将来を検討する。趙宏偉は近代中国の諸体制における「包括的」伝統政治の持続を強調する。奥村哲は中国社会主義を後発国が近代国家建設のために採用する「戦時態勢」の一例と捉える。西村成雄・国分良成は20世紀中国政治史を「党国体制」の展開として描き出す。深町英夫は各論者の見解が分かれる重要課題を指摘し,3つの可能な展開を示す。(1)中国は先進国と異なる特殊な事例であり続ける。(2)中国が普遍的価値を受容し民主体制・市民社会へと向かう世界的趨勢に合流する。(3)中国の非民主体制が21世紀の世界で非西洋諸国の模範となる。
- 2010-12-25