CEPA影響下における香港映画の越境に関する考察 : 製作環境の変容と要因を中心に
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概要
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2004年に中国本土と香港との間で調印された『中国本土・香港経済貿易緊密化協定』(CEPA)には,(1)香港映画については外国映画に課せられた輸入制限を受けずに本土で流通できる,(2)本土と香港の合作映画は国産映画として扱われると規定されている。この影響により,香港映画業界が本土へと加速的に越境しつつある。本稿は主にCEPAに関する政策分析を通じ,香港映画を取り巻く製作環境の変容,および関連する政治・社会的要因を考察したものである。特に,映画の市場が香港から中国本土に移行することに伴う,香港映画の「娯楽性」と本土映画の「思想性」との葛藤,また香港映画のアイデンティティが国家共同体へと回帰する一端を明らかにする。
- 2010-12-25