奈良盆地歴史地理データベースとその利用
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概要
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奈良盆地は日本の古代国家揺籃の地であり,条坊地割と条里地割は基礎的な歴史地理資料であり,発掘調査の成果の蓄積も進んでいる.本報告では,これらの成果とその前代の所産である古墳等に関する調査成果等をデータベース化した奈良盆地歴史地理データベースについて,GIS を活用した利用とその課題について検討した結果,以下の点の解決が重要であると指摘した.発掘成果のデータ化に際しては,特に調査者の年代観に関わると思われるが,遺構や遺物の時期に関する表記が多様であり,表記の統一が重要な問題点であること,および遺構の図面を刊行された概報等に拠ったため,縮尺がやや小さく,掲載図面に至る諸作業における誤差に関する検討が必要であることの 2 点である.また,前方後円墳の規模・副葬品・時期等に関して GIS により分布図を作成して検討した結果,前方後円墳の古墳群の地域的動向を時期別にダイナミックにとらえることができ,考古学者との協業により専門的な分布論的検討による成果が期待される.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 2009-07-18
著者
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