状態遷移確率を直接用いた有限バッファにおける損失率の高速計算手法(一般,ネットワーク,通信のための信号処理及び一般)

概要

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映像や音声をIPネットワークで配信することがより一般的に行われるようになって来ている。今後の進展の一つとして、大容量の映像ストリームをマルチキャストすることが予想される。この場合、UDPパケットが使用されるため、配信経路のパケット損失率を事前に予測することは重要である。映像ストリームが主に流れるネットワークでは、トラヒックはバースト的であり、大容量のため通常の最大長のイーサフレーム(1518バイト)の割合が高くなり、MMPP/D/1モデルで近似できると考えられる。以前、無限バッファを前提として、状態遷移確率を直接用いた状態確率計算を行うことにより、M/D/1およびMMPP/D/1モデルにおけるデータグラムの損失率を高速に計算できる手法を報告した。ここでは、それを応用した有限バッファにおける損失率を高速に計算する手法を提案する。この手法をM/D/1モデルで検証し、極めて高速に、且つ、高精度で計算できることを示す。また、MMPP/D/1の例でも同様な結果を得られることを示す。他の計算手法との比較、および、他のトラヒックモデルへの適用については今後の検討課題である。
社団法人電子情報通信学会の論文
2010-02-22