海面高度計による海表面流動場の推定(シンポジウム:沿岸海域の衛星海洋学)
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概要
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人工衛星海面高度計データを用い日本海の海表面流動場の推定を行った.海面高度計データは潮汐補正の精度,空間分解能の低さからこれまで日本海のような縁辺海ではほとんど使用されなかった.一般的に,海面高度計データの潮汐補正は全球潮汐モデルにより行われるが,縁辺海ではその精度が悪いため調和解析により潮汐補正を行った.この方法は日本海において海面高度計データの潮汐補正を行う上で最も効果的な方法である.潮汐補正を行ったERS-2海面高度計データから海面力学高度の時間変動成分を推定した.海面力学高度の時間変動場と数値モデルにより計算された平均海面を合成し,1996年5月から1998年10月までの月平均合成海面力学高度を計算した.合成海面力学高度場はNOAA/AVHRRのSSTおよび水温の現場観測値と非常に良く一致した.海面高度計データから日本海の月平均海表面流動場が推定可能であることが明らかになった.
- 日本海洋学会の論文
- 2001-08-23