七尾湾のマクロベントス群集に関する研究
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概要
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七尾湾内に設定した47地点において1982年5月より1983年2月にかけて各季節毎に計4回マクロベントスの分布調査を行い,以下のような結果を得た.動物分布の最も豊富であった春季には,平均個体数密度で2,231.5個体/m^2,生物量で41.4g湿重/m^2(個体重1g湿重以上の個体を除く)といずれもきわめて高レベルの値を示し,貝類のホトトギスガイ,ヒメカノコアサリ,キヌマトイガイ,シズクガイ,多毛類のEunice indica,Praxillella pacifica,Lumbrineris longifoliaなどが個体数組成で上位を占めた.各調査地点間の種組成の類似度に基づいて湾内の水域区分を行い,各水域の海底環境とマクロベントス相の特徴について検討した.今回の調査結果を以前のそれと比較したところ,過去40年ほどの間に当湾のマクロベントス相は,個体数レベルでは顕著な増加が見込まれたものの,質的な変化をもたらすまでには至っていないと結論づけられた.密度,生物量とも春以降減少し,夏(密度)ないし秋(生物量)に最低となった後,ふたたび増加の兆しを示したが,季節変化のほとんどは優占二枚貝類のそれによるものであった.
- 日本海洋学会の論文
- 1992-08-29
著者
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