人工護岸の造成とその生物的効果について(シンポジウム:望ましい大阪湾の海洋環境-環境改善への提言)
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概要
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関西国際空港は大阪湾泉州沖5km,平均水深18mの海上において1987年に大規模な埋立による建設工事に着手した.護岸概成後の翌年12月から,護岸全周において藻類及び魚介類の分布調査を,護岸5ヶ所の調査点で付着生物の調査を行い,護岸構造と生物相との関係を調べた.護岸延長11.2kmの約80%を占める緩傾斜護岸は多種類の藻類の生育に適しており,水深1〜5m付近ではガラモ場が形成され,時間の経過とともにその分布範囲は拡がっていた.一方,垂直護岸は藻類の生育に適さないもののムラサキイガイなどの軟体動物にとっては有利な生息環境となっていた.今回の調査で,植物69種,動物271種,魚介類59種が観察された.これまでこの海域に見られなかった魚介類も出現しており,空港島が新たな生物空間を構築していることが明らかになった.また,埋立てによって失われた生物の現存量(15トン)を上回る生物の現存量(約300トン)が空港護岸で確認された.
- 日本海洋学会の論文
- 1991-08-31
著者
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