長崎湾の巨大アビキ(シンポジウム:気象擾乱に対する沿岸海洋の応答)
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概要
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長崎湾の副振動は,アビキと呼ぼれて古くから知られている.1961年以降,最大全振幅が2mを越す巨大アビキが2回(1979年,1988年)発生した.1979年の巨大アビキについては,被害が大きかったこと,また観測史上最大のアビキということもあって,詳しく研究され,(1)東シナ海大陸棚上では気象擾乱と海洋長波の共鳴による長波の波高の増幅があること,(2)長崎湾内に侵入した長波が湾内で効果的に増幅されること,(3)長崎湾と五島灘の各振動系の共鳴による増幅があることが示された.また,気象擾乱の発生場所は,九州西方の東シナ海海域であると推定された.1988年の巨大アビキは,1979年の場合と異なり,発生した振動の振幅が一旦小さくなった後に再び大きくなり最大全振幅を示すという経過をたどった.このアビキを引き起こした気象擾乱として,3個の微気圧振動が次々と通過しており,解析の結果,大気中の内部重力波によるメソ高気圧の通過であることがわかった.また,振幅の増減は,メソ高気圧の通過の周期と関係あることを推定した.
- 日本海洋学会の論文
- 1989-08-31
著者
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小長 俊二
長崎海洋気象台
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高浜 聡
長崎海洋気象台:(現)気象庁海洋部
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半沢 洋一
長崎海洋気象台
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富山 吉祐
長崎海洋気象台
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富山 吉祐
長崎海洋気象台:(現)神戸海洋気象台
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小長 俊二
長崎海洋気象台:(現)仙台管区気象台