人工衛星赤外資料による海面水温の検出(シンポジウム:リモートセンシング)
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概要
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1977年打上げ予定の日本の静止気象衛星(GMS)は,可視・赤外走査放射計(VISSR)を搭載する.地球表面から放射される上向きの放射エネルギーは,VISSRの赤外チャネルによって測定することができる.現在,気象庁は,VISSRの赤外観測データを用いた海面水温の処理システムを開発中である.赤外観測データを用いて海面水温を検出する場合,もっとも大きな問題は,海面領域と雲領域データの識別・分離を行うことである.さらに,大気中には,水蒸気や炭酸ガスなどの長波放射を吸収する物質が存在するので,正確な海面水温を求める場合には,この吸収効果を補正しなければならない.本報では,GMSシステムの海面水温処理システムに用いられている基本的な方式を紹介し,1976年2月に取得された,米国の静止気象衛星(SMS)の赤外観測データを用いた海面水温の測定結果を示す.得られた海面水温分布のパターンは,船舶によって得られた海面水温分布パターンと,良い一致を示している.
- 日本海洋学会の論文
- 1977-08-18