雲仙岳山麓におけるヒノキ根株心腐れの樹幹内での進展
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概要
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長崎県雲仙岳山麓の立地条件がほぼ同一と考えられる25年生、35年生および50年生のヒノキ林3カ所において根株心腐れ状況を調査し、樹幹内での進展状況を検討した。いずれの林齢においても腐朽部直径が大きくなるに従って腐朽高も大きくなる傾向が見られた。林齢が高くなるに従って腐朽部直径、腐朽部面積、腐朽高および腐朽材積の平均値および最大値は大きくなる傾向が見られた。腐朽部直径の平均値は25年生で7.Ocm、35年生で14.1cm、50年生で14.0cmであり、25年生から35年生までの10年間には拡大していたが、35年生と50年生の15年間には拡大は頭打ちとなった。一方、腐朽高の平均値は、25年生で66.2cm、35年生で139.5cm、50年生で199.8cmであって35年生から50年生までの15年間にも腐朽は上方へ進展していた。35年生ヒノキ林で腐朽による材積の損失程度を調査した。腐朽材積の合計は0.9169m^3で100本に換算すると1.006m^3であり、収穫予定材積の6.95%に相当した。一方、腐朽被害を受けていたため切り捨てられた材積は4.1569m^3であり、実際に腐朽した材積の4.5倍程度に相当した。これらの損失材積は、収穫予定材積の3分の1近くに達した。
- 樹木医学会の論文
- 2000-03-31