忘れられた中国初の「9年制義務教育」計画 : 戦後初期台北市における試みと挫折
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概要
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本稿は,1948年に浮上した台北市の「9年制義務教育」計画誕生の経緯からその帰結までを検討するものである。日本統治期の国民学校高等科を継承し,既存の6年制義務教育の後に職業教育を中心とした3年間を加えるという中国初の「9年制義務教育」計画は,民意機関での採択を経て中央政府に提出される。だが,台北市を実験区とした計画も最終的には教育部によって棚上げとされてしまう。実現には至らなかったものの,日本の教育インフラを基盤としつつ,中国大陸に先んじて教育年限の延長が図られていた史実が示していたのは,中国の教育近代化の牽引役となる可能性を秘めていた戦後初期の台湾像であった。
- 2010-10-25
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