可変リアクタンス素子を用いたマイクロストリップアンテナの偏波制御と円偏波の周波数制御(<特集>高度化するワイヤレスシステムを支えるアンテナ・伝搬技術論文)

概要

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本論文ではマイクロストリップアンテナの同一平面上に設定された二つの寄生素子に可変リアクタンス素子を装荷するアンテナ系に着目し,そのリアクタンス値を変化させることにより,円偏波の旋回方向及び直線偏波の偏波方向を制御可能とするMSAの構成法と放射特性について述べる.また,同構成を用いて円偏波の動作周波数の制御についても述べる.本アンテナ系の性能を検証するため,可変リアクタンス素子を装荷したMSA素子が試作され,主としてS-バンドにおいて各種実験がなされた.なお,シミュレーションを行ったところ,この種のアンテナ系が放射パターン,リターンロス特性及び軸比特性などの基本特性において,良好な偏波制御特性及び円偏波周波数制御特性を示すことが明らかにされた.また,リターンロス特性などの実測結果はシミュレーション結果と良い一致をみた.これらのことより,本アンテナ系が偏波制御を可能とする円偏波及び直線偏波の平面アンテナとして,また,円偏波の周波数制御を可能とする平面アンテナとして,有用な一形式となり得ることが明らかにされた.
2010-09-01