簡易潮位計の工夫
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概要
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解析データのひとつとして潮位データが欲しいと思っても近くに検潮所がない,あるいは観測対象とする現象のスケールに対して,既設の潮位観測施設では地点間隔などの条件を満たさない場合に,臨時的に数ヶ月間の運用が可能な観測網を展開できる比較的安価で簡単に製作できる簡易潮位計を提案した。この潮位計は,測定器として市販の圧力式深度計,波の減衰器として機能する細いチューブ,これらを格納する塩化ビニール製のパイプで構成されている。室内で測定した時定数(緩和時間)を用いた計算では,周期30秒以下の波は0-10%以下に減衰し,1時間以上の周期の長い波は減衰されることなく1-1分半の遅れで測定されるものと推定された。国土地理院検潮場との実海面比較観測では3cm以内の差で非常に良い相関と追従性を示し,簡便な潮位計として利用できる性能を持っていることが示された。また,北海道南部の噴火湾沿岸3ヶ所に3ヶ月間設置した耐久試験観測では,湾内でも場所によって大きく異なる海面の昇降が観測され、低予算で多数の潮位計を製作して観測網を展開することの利点が示された。
- 2010-09-05
著者
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木戸 和男
(地独)北海道立総合研究機構地質研究所
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奥村 裕弥
北海道立函館水産試験場
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大澤 賢人
(地独)北海道立総合研究機構地質研究所
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奥村 裕弥
北海道立函館水産試験場:(現)(地独)北海道立総合研究機構水産研究本部
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