五・四運動期における戴季陶の日本観
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概要
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五・四運動期に中国各地・各界で空前の反日気運が盛り上がる中で,絶えず日中接提携論を唱えてきた孫文は初めて明確な日本批判を行なった。彼の側近・対日外交の担当者であり,また「知日派」であった戴季陶(1891〜1949)が,日本に対する全国民的な罵声の中で,日本とどのような関係を持ち,またどのように日本を認識したのかは,興味深い問題である。彼は新思潮に乗って,社会主義などの新思想を紹介し,国民を啓蒙する役割を果たした。本稿では,彼の経歴と思想を整理した上で,彼の日本観を検討する。それまでの彼の日本観と比較して,変化した部分と持続している部分とを明らかにし,生涯の日本観の展開過程における位置付けを考える。
- 2010-09-25