特別支援学校寄宿舎をめぐる政策・施策の動向 : 通学困難限定型の寄宿舎から地域の寄宿舎への再生
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概要
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現在,寄宿舎は縮小・統廃合の渦中にある.それは「特殊教育制度」のもとでも進められていたが,特別支援教育時代に入り,その速度を増幅している.その根底には子どもの生活,発達を財政効率と教育投資に置き換えた新自由主義(教育の市場化)的障害児教育観に立った政策が横たわっている.今,寄宿舎教育の到達点や役割を学校全体,父母,地域に発信し,あらためて教育と生活に必要な場という地域の合意形成なしに縮減は止まらない.本稿では,権利としての障害児教育をどうすすめるかという命題のなかで,寄宿舎教育を権利としてどう政策化するのか,いくつかの地域の実態を検討し,運動的なスタンスから政策提言を試みる.