酵素活性によるタバコシバンムシ成虫の死亡時期の推定
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概要
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タバコシバンムシ成虫の死骸からその死亡時期を特定するために,虫体に含まれる酵素活性の指標性を検討した.まず,市販の酵素測定キット(アピザイム)を用いて19種の酵素の活性を調べ,強い活性を示した3種(C4エステラーゼ・α-グルコシダーゼ・酸性フォスファターゼ)を選抜した.続いて,それら3種の酵素にカタラーゼを併せた4種の酵素活性の個体変動を調べ,ばらつきの少なかったカタラーゼ・C4エステラーゼ・酸性フォスファターゼを指標酵素として選定した.これら3種の酵素の死後減衰を調べた結果,減衰速度は保存温度および酵素によって異なることが判明し,それぞれの半減期は,カタラーゼで2〜3日(30℃)・1週間(20℃)・2〜3週間(10℃),C4エステラーゼで2〜3週間(20・30℃)・4週間以上(10℃),酸性フォスファターゼは9カ月以上であった.以上の結果から,製造工程に加熱滅菌工程を有さないたばこ製品においても,死骸に残存する酵素活性の定量によって,異物昆虫の死亡時期推定が可能であることが明らかになった.
- 2005-10-30
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