新しい時代のシロアリ防除法 : セントリコン・システムの効果試験
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概要
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従来シロアリの防除は化学薬剤によるバリアー工法を中心に行なわれてきた。一方,米国を中心に開発の進められてきたべイト剤は,これとは基本的に異なった概念に基いたものである。シロアリのコロニーそのものをターゲットとしており,社会性昆虫であるシロアリの職蟻に比較的少量の薬剤をコロニーまで運ばせる事によって,コロニーそのものを根絶する事が出来る。シロアリの今日のシロアリ防除における重要な選択肢の一つといえる。和歌山市でイエシロアリを対象に,2種類の方法を用いてセントリコン・システムの効果試験を実施した。1)標識再捕獲法を用いた試験では,同一コロニー内のシロアリの活性がすべて消失し,1,250,000匹のシロアリのコロニーを僅か0.53gのへキサフルムロンで根絶できた。また,2)巣を実際に掘り上げる試験では,巣の上部が雨水によって腐敗し比較的乾燥した部分ではミイラ状になったシロアリが観察された。本試験において巣の根絶に要した薬剤は,有効成分として僅か1gであった。これらの試験を通じて,セントリコン・システムを用いて極めて少量のへキサフルムロンでコロニーを根絶できる事が明らかとなった。ヤマトシロアリに対しては,現在関東地方を中心として試験を実施している。ヤマトシロアリは科学的物理的刺激に対して敏感で,従来の方法では結果が不安定であったが,独自の工夫を加えることにより高い確立で防除できることが分かった。
- 日本家屋害虫学会の論文
- 1998-06-30
著者
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山内 一馬
ダウ・ケミカル日本株式会社ダウ・アグロサイエンス事業部門
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石倉 裕士
ダウ・ケミカル日本株式会社ダウ・アグロサイエンス事業部門
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大嶽 譲治
ダウ・ケミカル日本株式会社ダウ・アグロサイエンス事業部門
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山内 一馬
ダウ・ケミカル日本(株)ダウ・エランコ事業部門
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