日本産イエカ類の殺虫剤抵抗性,とくに有機燐剤抵抗性の機構
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概要
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近年,日本各地のアカイエカ群やコガタアカイエカは極めて強い有機燐剤抵抗性を発達させている.抵抗性比(R/S)をまとめると,チカイエカは40-650倍,コガタアカイエカは5,000倍から12万倍以上となる.また,ピレスロイド剤に対して,チカイエカでは20-200倍,コガタアカイエカでは50-1,000倍の抵抗性比を示す個体群がある.寒天ゲル電気泳動法によってβ-naphthyl acetate分解泳動帯(β-NE)を調べたところ,有機燐剤抵抗性の個体群は感受性系統に比べて強いβ-NEを示した.そして,選抜が進むほど高活性個体の頻度が高くなった.酵素阻害剤を用いた実験もおこない,アカイエカ群の有機燐剤抵抗性の主要因はアリエステラーゼ活性の高揚であると結論された.コガタアカイエカの有機燐剤抵抗性機構はアカイエカ群よりも複雑である.電気泳動法で検出された7本のβ-NEのうち,とくにE_1, E_6の活性が強いのでアリエステラーゼ活性の高揚は抵抗性に関与している.しかし,コガタアカイエカの場合,有機燐剤抵抗性の主要因は神経酵素アセチルコリンエステラーゼ(Ach E)の感受性低下であった.アセチルコリン阻害剤の濃度で比較すると,抵抗性の富山系統と感受性系統の間にはIC_<50>値で734倍もの開きが認められた.
- 2002-01-20
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