反応がないとみられている精神病患者の言動や生活行動に変化をつくりだす看護の視点
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概要
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本研究は,反応がないとみられている精神病患者の言動や生活行動に,変化をつくりだすために必要な看護の視点を明らかにすることを目的とした。患者の言動や生活行動が変化した看護過程を転機として,各看護過程から看護の特徴を取り出し,そこから患者に変化をつくりだした看護者の判断の共通性に着目したところ,看護の視点5項目が取り出せた。1. 患者からの反応がなくても認識が働いていることを予測して,快の刺激をおくりそれに対する患者の反応を捉える。2.日常生活力が衰え自力で生活を整えられない状況のときは,健康な人間の24時間の生活を重ね合わせ,何が患者にとって不快となっているかを予測し快のあり方を考える。3. 全身を統括する脳細胞への薬の作用を前提としながら,脳の働きが乱れている状況を観念的に追体験して辛さを想像する。4. 患者にとって心と体が動きやすい時間帯や状態のときを意識的に探し,関われるチャンスと捉え一気に働きかける。5. 快の感情が湧きおこっているとみてとれたときは、その思いがさらに広がり次に動きたいと思えるように快を強める。