日本産ミドリシジミ類5種の雄の活動性とそれに対する照度の影響について
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概要
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1.自然条件下における,ウラゴマダラシジミ,ミズイロオナガシジミ,オオミドリシジミ,アイノミドリシジミ,メスアカミドリシジミの雄の活動パターンを,長野県上田市において,1975年の6月下旬に観察し,活動性に対する照度の影響について考察した.2.ウラゴマダラシジミは二山型の活動パターンを示し,8,000lux〜25,000luxの照度の範囲で最も活発な活動[生を示した.しかし,50,000luxを越えるような高い照度は,本種の活動性を抑制すると考えられる.3.ミズイロオナガシジミは二山型の活動パターンを示し,5,000lux〜20,000luxの範囲で最も活発な活動性を示した.しかし,50,000luxを越えるような照度は,本種の活動性を抑制すると考えられる.4.オオミドリシジミは15,000lux〜35,000luxの範囲で最も活発な活動性を示し,80,000luxを越すような照度は,本種の活動性を抑制すると考えられる.5.アイノミドリシジミは午前中に一山型の活動パターンを示し,15,000lux〜35,000luxの範囲において,最も活発な活動性を示した.しかし,50,000luxを越すような照度は,本種の活動性を抑制すると考えられる.6.メスアカミドリシジミは午後の15,000lux〜25,000luxの照度の範囲において最も活発な活動性を示した.しかし,80,000luxを越えるような高い照度は,本種の活動性を抑制すると考えられる.7.50,000lux以上の照度の急激な降下は,どの種に対しても一時的に活動性を活発化させた.
- 1982-12-20