韓国において虫〓を形成するBlastodacna属(鱗翅目,Momphidae)の1種
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概要
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Blastodacna属は全北区から約12種が知られているが,1977年に中国からSinitinea pyrigalla YANGの名で記載された1種と未同定の1種を除いて,極東地域からは記録されていなかった.著者の研究の結果,従来韓国からMetzneria sp.として知られていた種はS.pyrigalla YANG, 1977と同一種であり,本種はまた翅脈や交尾器の形態から,疑いなくBlastodacna属に移されることが明らかになった.したがって,本種をタイプとして設立されたSinitinea YANG, 1977はBlastodacna WOCKE, 1876のシノニムとなる.本論文においてはこのBlastodacna pyrigalla(YANG)(comb. nov.)を再記載し,生態を記述した。本種の幼虫はナシ,モモおよびカキの新枝に長さ10-15mm,直経12-18mmの虫〓を形成する.年1世代で,寄主の芽付近に産下された卵から孵化した幼虫は,新しく伸長した枝に穿孔して虫〓を作る.越冬は幼虫態,翌早春虫〓の中で蛹化して4月に成虫が羽化する.[*Momphidaeはカザリバガ科Cosmopterigidaeの1亜科または独立の科として扱われているが,日本からは所属する種類が記録されていないため和名はない.]
- 1986-06-20
著者
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朴 奎澤
Center For Insect Systematics Kangwon National University
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朴 奎澤
Department of Plant Protection, College of Agriculture, Kangweon National University
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