サトキマダラヒカゲNeope goschkevitschii MENETRIESの蛹休眠に関する光周反応の地理的変異
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概要
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サトキマダラヒカゲNeope goschkevitschii MENETRIESの蛹休眠に関与する光周反応の地理的変異を,上ノ国(北海道),筑波(茨城),京都および山陽(山口)の個体群について調べた.食餌植物としてアズマネザサPleioblastus chino MAKINOを用い,いろいろな光周条件下で幼虫を飼育した.その結果,すべての個体群は長日型の反応を示し,京都と山陽の個体群では14.5時間,筑波では15時間以上の日長ではすべて不休眠蛹になったが,14時間以下の日長ではすべての個体群が休眠蛹を生じた.これらの個体群の臨界日長は14時間と15時間の間にあると考えられる.これに対し,上ノ国では15時間の日長でも1個体を除いてすべてが休眠したが,16時間では多くが不休眠蛹となり他に較べて明らかに長い臨界日長を持つ.これらの臨界日長の差異はサトキマダラヒカゲが異なる気候条件に適応した結果と考えられる.
- 1983-07-20