長野県におけるシロジマシャチホコの生活史と幼虫の成長
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概要
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シロジマシャチホコPheosia fusiformis Matsumuraは中型の美しいシャチホコガ科の1種で,長野県内では5月から9月にかけ,数は少ないが山地で成虫を見ることができる.しかし,本種の生活史や周年経過の状態はほとんど分っていない.筆者は1972年秋から1973年秋にかけての通年飼育によって,生活史や周年経過の概要を知ることができた.本種の生活史については杉・中臣(1969)が「日本産シャチホコガ科の食樹の知見」のなかで「おそらく年2回」成虫が発生するだろうと推定している.筆者は飼育によって,成虫が年2回発生すること,老熟幼虫は土中で簡単な繭をつくって蛹化すること,春の飼育群のなかに普通の5齢幼虫より1齢多く齢期を経過し,6齢で蛹化した個体がいたこと,年2化の個体群のなかに1化の個体がいたことなど確認できたので報告する.
- 日本鱗翅学会の論文
- 1974-04-30