経皮経肝胆道ドレナージ術にて保存的に治癒しえた残胃全摘・Roux-Y再建術後早期の輸入脚閉塞症の1例
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概要
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症例は60歳の男性で,25年前に胃潰瘍のため広範囲胃切除・Billroth II法再建術を施行されていたが,残胃に早期癌が認められ,残胃全摘・Roux-Y法再建術を施行した.術直後に挙上空腸腸間膜からの出血にて再開腹を行った.術後下腹部膨満を認め,経過観察していたが術後12日目の血液検査にて肝機能障害・高アミラーゼ血症認められ,腹部CTにて十二指腸の著明な拡張像が見られ,急性輸入脚閉塞症と診断した.肝内胆管の軽度拡張も見られたため術後15日目に経皮経肝胆道ドレナージを用いて十二指腸の減圧を行った.狭窄部位はTreitz靭帯付近で,持続減圧にて狭窄は徐々に改善し,ドレナージ後35日目にはチューブを抜去しえた.輸入脚閉塞症は早期に診断し,適切な治療法を選択しないと致命的な経過をたどる重篤な合併症であるが,経皮経肝胆道ドレナージは非手術療法として有効な一手段と思われた.
- 2010-08-01
著者
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