現場から学ぶ : 川崎病発見の経緯とその後の展開
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概要
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1961年1月筆者は小児科臨床10年のキャリアーにも拘らず,今まで一度も出会ったことのないユニークな臨床像を示した4歳3ヶ月の男児を受け持つ機会が与えられた。この例は今にして思えば典型的な川崎病であったが,当時筆者は診断することができなかった。この年はこの症例のみであったが,翌1962年2月当直の夜急患で来た患者を診て,1年前の症例を思い出し,教科書にないユニークなclinical symptom-complexの症例が確かに2例存在したと実感した。その後も毎年症例を重ね1967年3月「指趾の特異的落屑を伴う小児の急性熱性皮膚粘膜淋巴腺症候群」と題して本症の50例をアレルギー16:178-222,1967に報告した。その後,日本各地から症例報告が相次ぎ,1970年厚生省研究班が発足し,疫学,臨床,病理,病因に関する総合的な研究が始まった。しかし,臨床上の治療や管理の面では大いに進歩したが,残念乍ら病因に関しては未だに不明である。
- 2010-09-17
著者
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