6.味覚障害・高齢者における"うま味感受性"(<総説特集>摂食機能と味覚・うま味の関連-6)
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概要
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近年、我が国では急速な高齢化に伴い、高齢者の味覚障害患者が増加している。高齢者は全身疾患有病率が高く服薬も複数であるために、味覚障害の原因は多岐にわたり治療が困難である場合が多い。味覚検査は、原因を究明し治療方針を立案する上で欠かせない。しかしながら、現行の味質検査法は4基本味(甘味・塩味・酸味・苦味)を対象としており、第5の基本味である"うま味"に対する検査法は欠落している。本稿では、我々が開発を試みた"うま味"検査法について概要を説明し、その臨床応用によって明らかとなった味覚障害患者・高齢者における"うま味感受性"の実態と、高齢者の健康の直結する"うま味感受性"維持の重要性について概説した。