八重山諸島におけるクモ膜下出血の疫学的検討
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概要
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温帯から亜寒帯に属する地域において,クモ膜下出血発症の周期性,群発性あるいは気象との関連性が指摘され,環境因子の影響が示唆される.本検討では亜熱帯に属する八重山諸島における13年間のクモ膜下出血患者94例を対象として,発症時活動状況を含む環境因子からの疫学的分析を行った.本邦の中では発症年齢(平均57.3歳)がやや低く,男女比約1:2で女性の比率がかなり高いが,年間発症率(年齢性別調整17.4)は平均的であった.季節別では秋に多く,月別では8月に多かった.曜日別では月曜に多く,時間別では18:00〜19:59に大きなピークを認め,6:00〜7:59に小さいピークを認めた.また0:00〜1:59と4:00〜5:59に少なかった.台風最接近日前後3日以内ではそれ以外の時に比べて約1.8倍多かった.生活・労働時発症が多かった.無・軽負荷例で周期性および台風接近との関連性がより明瞭であった.
- 2010-08-20