米価と消費者の米購買行動
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概要
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本稿では,461人の消費者を対象としたアンケート調査に基づき,我が国の消費者の米購買行動に関する分析を行った。さまざまな価格帯の米の中から消費者が購入する米を決定する際に作用する要因を重回帰モデルによって検討するとともに,米価が変動した場合の購買行動を類型化し,数量化II類の手法を用いて類型間に差異をもたらしている要因を明らかにした。分析から得られた知見を整理すると,次のとおりである。第1に,米の選択に際しては,世帯総所得,世帯員数,米購入量といった1人当たり消費支出額を規定する経済的要因に加え,米購入時の関心項目や購入者の職業といった要因が影響していた。第2に,米価が変動した場合の購買行動は,米の購入量やブランドを変えない意向の世帯(タイプ1),米の購入量は変えずにブランドを変える世帯(タイプ2),米の購入量を変えブランドは変えない世帯(タイプ3),米の購入量やブランドをともに変える世帯(タイプ4)に区分でき,調査した総世帯に占めるそれぞれの構成割合は10.4%,52.3%,8.7%,28.6%となっていた。第3に,米価が大幅に下落しても,米の購入量が増える見込みはきわめて小さい。第4に,タイプ1〜タイプ4の購買行動の違いには,世帯総所得,世帯員数,米購入時の関心項目,購入者の年齢,職業,居住地域の6要因が影響していた。
- 2010-09-17
著者
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