意識障害における有効なリハビリテーション方法の構築 : 誤診率のメタ分析を手がかりとして
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概要
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高次脳機能障害におけるケアの効果については多くの研究結果が蓄積されている。しかしながら、自己意識および周囲の環境に対する気づきが欠如または減弱している意識障害患者におけるケアの効果を研究した報告は、ほとんど存在しない。そのような意識障害の代表例が、植物状態(遷延性意識障害)である。本稿ではこの背景を基礎に、はじめに植物状態における誤診率の高さを指摘した論文について、新たにメタ分析を加える。この分析により、ケアの重要性が確認される。引き続き課題となるのは、ケアの役割を客観化し、どのようなケアが有効なのかを知ることである。本稿ではその課題解決のため、予備的段階としての検証法を構築する。すなわち、ケア全般についてではなく、あるリハビリプログラムについて、その効果を客観的に評価する方途を提示する。神経可塑性を利用したこの試案は、意識障害における効果的なリハビリプログラムの開発と、それをもとにした体系的なケアの在りかたの構築にむけて、重要な足掛かりになるであろう。
- 2009-09-22